一番星はどんな星

 

1 夕餉に匂う 路地裏で

  わらべが歌う あの歌の

  一番星はどんな星

  見せてと母に 泣いたのも

  ああこの白杖だけが知っている

 

2 鏡覗けぬ 辛さより

  あの坂道を あの森を

  一人で歩く しあわせを

  欲しいと泣いた あの夜を

  ああこの白杖だけが知っている

 

3 心に秘めし あの人が

  くれた便りの 愛の字を

  幾度も指で 読みながら

  嬉しく泣いた あの夜を

  ああこの白杖だけが知っている